サポニン (saponin) は、サポゲニンと糖から構成される配糖体の総称です。サボンソウをはじめとするさまざまな植物で見られ、水に混ぜると溶解し、振り混ぜると石鹸のように泡が立つなどの界面活性作用があります。
サポニンと効果
サポニンは植物の根、葉、茎などに含まれている成分で、特にマメ科の植物に多く含まれています。サポニンには苦味があり、コーヒーや抹茶などにも含まれています。サポニンには様々な効果があり、その効果は植物の種類によって異なります。
サポニンの効果
・免疫力向上
抗腫瘍作用及び感染防御作用をも発揮する。はサポニンによるマクロファージの活性化を介して,リンパ系細胞による抗体産生が刺激されると考えられている[2]。サポニンには免疫機能をつかさどるリンパ球を活性化し、ウイルスや細菌から体を守る働きがあります。サポニンは免疫機能をアップする働きがあるので、風邪などひきにくくなる効果が期待できます。
・抗酸化作用
サポニンは強い抗酸化作用があり、体内で脂質の過酸化を抑制し代謝させる働きがあります。また、水と油の両方に溶ける性質があり、血管に付着した脂質を除去する働きや血中コレステロールを低下させる効果もある。血液中の脂肪やコレステロールは活性酸素によって酸化されると、悪玉コレステロールとなってしまい、血管内に蓄積されていきます。サポニンが持つ抗酸化作用により活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防ぐとともに、余分なコレステロールを減らす働きがあります。
それによって、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞などの予防にも役立ちます[1]。
・咳や痰を抑える
高麗人参には昔から、咳を鎮め、痰を切りやすくする効果が知られていました。これは、高麗人参に含まれているサポニンの抗消炎作用によるものです。せき止め薬の「龍角散」にも配合されています。
・お酒を飲みすぎた時に
サポニンには、利尿作用があり、過剰な水分と一緒に体内の有害な物質を排出する働きがあります。また、大豆サポニンには過酸化脂質を抑制する抗酸化作用もがあるので、肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝により起きやすくなる炎症を抑え、肝機能を改善します。
・肥満予防
研究によると、サポニンを摂取すると、体重を有意に低下させ、肥満を改善し、脂肪細胞の直径についても有意に低下するというデータが示された。これは、サポニンの膵リパ ーゼ阻害作用によるものと考えられます[3]。サポニンは、余分な脂肪の蓄積を予防できるので肥満予防に繋がります。
・血流改善
血管拡張作用を持つサポニンは、血流を改善し、毛細血管の隅々まで血流を送り届ける働きもあります。血流が良くなると老化防止や冷え症対の効果も見込めます。
サポニンが多く含まれる食品
サポニンを多く含む食品には、大豆、黒豆、などのマメ科の植物。ごぼう、そして生薬、特に高麗人参や田七人参などに多く含まれています。田七人参は、高麗人参のなんと10倍のサポニンが含まれているといわれています。食品として摂取しやすいのは、大豆サポニンで、高野豆腐、生揚げ、がんも、油揚げ、おから、豆乳、ゆば納豆などに豊富に含まれています。
サポニンの摂取量
厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準において、サポニンの耐容上限量は定められていませんが、サポニンを含んだ健康食品やサプリメントから補う時は、使用量の目安に従ってください。
【参考文献】
[1] 大豆サポニン
http://www.fap-jp.com/wp-content/uploads/0bbc015db733e3441f83cd7183bbc3f6.pdf
[2]サポニン類の免疫グロブリン産生系に及ぼ影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/37/2/37_2_115/_pdf
[3]お茶由来のサポニンの抗肥満作用
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10948659_po_ART0002814778.pdf