コラーゲンとは
コラーゲン(collagen)は、主に脊椎動物の真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつです。ヒトの体内に存在しているコラーゲンの総量は、全タンパク質の約25%を占める程多く存在しています。特に体の中でも、腱の主成分はコラーゲン繊維が隙間なく配列したもので非常に強い力に耐えることができます。
腱は、筋肉が作り出した力を骨に伝え、運動を起こす際に非常に強い力がかかりますが、その役割を果たせるのもコラーゲンのお陰といえます。また、骨や軟骨の内部にも、コラーゲンの繊維がびっしりと詰まっており、骨や軟骨に弾力性を持たせています。
皮膚の弾力や強度の維持にもコラーゲンが役立っています。
コラーゲンの特徴は、他の大部分のタンパク質がアミノ酸にまで分解されてから吸収されるのとは異なり、オリゴペプチドの状態で吸収されていることが明らかとなっています。[1]
消費者庁管轄の機能性表示食品において、コラーゲンは、科学的根拠を元に「膝関節が気になる方に」といった表示での販売が認可されています[2]。
低分子コラーゲンペプチドを使った研究では、3か月後に肌の水分量、弾力性、しわの改善、質感の改善効果が見られたという研究結果が報告されています[3]。
コラーゲンを豊富に含む食品には、動物性と海洋性があります。動物性コラーゲンは、豚足、鶏の皮、手羽先、軟骨、牛スジ、牛テール、豚バラ肉などに豊富に含まれています。一方、海洋性コラーゲンには、スッポン、フカヒレ、エイヒレ、魚の皮、うなぎ、なまこ、カレイ、エビ、くらげなどに含まれており、その他、ゼラチン、ゼリー、プリン、杏仁豆腐などにも豊富に含まれています。
ただし、コラーゲンを豊富に含む食品は高カロリーのものが多いので、これらの食品を、一度にたくさん食べると、カロリーオーバーになってしまいます。今は、ドリンクなど飲みやすいコラーゲンサプリなどもあるので、上手に活用しながら、積極的な摂取をおすすめしたい成分です。
[1]小山洋一「総説 天然素材コラーゲンの機能性」 (pdf) 『皮革科学』第56巻第2号、2010年8月14日、 71-79頁。
[2] ”ひざサポートコラーゲン”. 消費者庁 (2017年5月2日). 2018年9月23日閲覧。 “関節ケア”. 消費者庁 (2016年9月9日). 2018年9月23日閲覧。
[3] Kim DU, Chung HC, Choi J et al (June 2018). “Oral Intake of Low-Molecular-Weight Collagen Peptide Improves Hydration, Elasticity, and Wrinkling in Human Skin: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study”. Nutrients 10 (7). doi:10.3390/nu10070826. PMC: 6073484.