知っておきたいサプリメントの形状と特長

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現在、市販されているサプリメントおよび健康食品には様々な形状のものがあります。これは私たちの生活が多様化することで、様々な消費者ニーズが出てきたことと結びついています。日本で初めて健康食品の形状や包装の規制がなされたのは、1971(昭和46)年のに遡ります。当時の厚生省薬務局長から都道府県知事に宛てて「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(通称46通知)が通知されたのが始まりです。錠剤、カプセル剤、アンプル剤などの形状をした健康食品は、原則として医薬品に該当するというものでした。つまり、明らかに食品とわかる菓子や調味料以外は医薬品として判断されることになりました。しかし、国民の食生活の多様性や健康に対する意識の変化などから、その後厚生労働省はこの通知の内容を何度も改正し、規制を緩和の方向に進めていきました。その結果、健康食品はいろいろな形状で製造販売することが可能になったのです。現在、サプリメントの代表的な形状として、粉末、顆粒、錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、ドリンクなどがあります。この記事では、それぞれの特長を解説いたします。

粉末

大きく分けると、素材を「細かく粉砕したもの」と「水やアルコールなどで抽出して乾燥させたもの」に分けることができます。粉砕してできる粉末は純度が基本的に100%となり、乾燥することでできる粉末も純度は高くなる傾向があり、高熱、高圧を長時間かける工程が少ないので、内容成分もあまり損なわれることはありません。粉末は軽くて場所を取らないため、輸送コストや保管スペースの面でも利便性がある。しかし、摂取する際に味や臭を隠すことが難しく、飛散や付着することがあり取り扱いにくい面もあると同時に、湿気対策が必要となります。

顆粒

一般的に粉末を固めて、やや大きくしたものを顆粒といます。調味料や洗剤などにも広く用いられ、粉末と比較すると、結合剤を使用することが多いので純度は下がるが、粉末と同様、高熱、高圧を長時間かける工程が少なくなるため、内容成分はあまり損なわれない特徴があります。粉末同様、味や臭を隠すことは難しいが、飛散性や付着性については粉末と比べて向上しています。糖類などの結合剤を使用することが多いため、溶けやすく、粒が大きいので飲みやすいが、粉末同様、湿気に弱いので湿気対策が必要です。

錠剤

粉末や顆粒などを圧縮して飲みやすくしたもので、製法が比較的簡単でコストがあまりかからないため大量生産に向いており、健康食品では最も多く使用されています。賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤などが使用されるため、純度は低くなります。高熱を長時間かける工程は少ないが、高圧をかけて圧縮形成する方法が主流のため、内容成分が損なわれる可能性もある。コーティングにより味や臭を隠すことができる。粒が大きいため、高齢者や嚥下障害のある人など食べ物を飲み込む力が弱まっている場合は錠剤を喉に詰まらせるおそれがあるので、水分を多めにとるなど注意が必要です。粉末や顆粒と比べて粒が大きく取り扱いやすく、携帯もしやすいが、湿気対策は必要です。

ハードカプセル

ゼラチンやセルロースなどの皮膜でできており、筒状の楕円形をしている。カプセルはボディーとキャップからなり、中に粉末や顆粒などが充填されています。錠剤とは異なり、粉末や顆粒をゼラチンなどで覆っているため、純度は高く、高熱高圧を長時間かける工程が少なくなるので、内容成分があまり損なわれず、カプセル皮膜により空気から保護され、成分が安定しやすい特徴があります。カプセルは着色や印刷が簡単にできるので、外観の色などによる識別、内容成分の色を隠して美しく見せることも可能です。カプセルによっては味や臭成分を隠すこともできます。粒が大きく水溶性も高いので飲みやすいとされています。内部は水分が少ないので、微生物汚染の心配はあまりないが、反面、吸湿性が高く湿気対策が必要となります。また、外圧でカプセルが割れることがあるので注意が必要です。過乾燥や過冷却の状態ではさらに割れやすくなります。

ソフトカプセル

非水溶性の液体、もしくは粉末を混ぜた非水溶性液体などをゼラチン、デンプン、グリセリンなどの皮膜で包んだもの。形状はフットボール状のオーバル型が一般的であるが、球状のラウンド型、ハート型、魚型など様々なものがあります。内容液の純度は高いが、皮膜がハードカプセルと比べると厚くなるのでハードカプセルと比較すると全体の純度は低くなり、ハードカプセルと同様、高熱高圧を長時間かける工程が少なくてすむため、内容成分があまり損なわれません。また、カプセル皮膜により空気から保護されるため、成分も安定しやすい特徴がある。着色が可能であり、内容成分の色を隠し、美しく見せることもできます。鋳型が比較的安価なため、いろいろな形のものが選択でき、ハードカプセルと比較すると、皮膜に弾性があるため外圧には強く、微生物汚染の心配も少ない。

ドリンク

健康食品のドリンクは清涼飲料水に分類されるので、食品衛生法の清涼飲料水の基準を満たしている必要がある。一般的に内容液は原料を混合してつくられるが、その性質、賞味期限などに応じて保存料や酸化防止剤などが添加されます。最近では、これらの添加物を使わずに、充填前に内容液の殺菌や除菌を行ってから、無菌的に容器に詰める方法も採用されています。ほとんどが水分のため、素材の純度は低く、無菌的に充填する場合を除き、熱を長時間かける工程で内容成分が損なわれることもあります。液体のため成分の味や臭をある程度隠すこともでき、飲みやすく、他の形状のものに比べると、一般的に体内での吸収もよいものが多い。重くて場所を取るので、輸送や保管は他の形状のものと比べると手間やコストがかかる傾向があります。

 

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