カロテノイド(カロテノイド色素)とは

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カロテノイド(カロテノイド色素)とは

カロテノイドはカロチノイドとも呼ばれ、優れた性質を持った健康成分です。食品やサプリメントなどで、積極的に摂取したいオススメの成分です。
カロテノイド(carotenoid)は黄、橙、赤色などを示す天然色素のことで、微生物、動物、植物などからこれまでに750種類以上のカロテノイドが見つかっています。
トマトやニンジン、フラミンゴやロブスターの示す色はカロテノイド色素による着色です。カロテノイドは、植物の体内で光保護作用や抗酸化作用を発揮するなど、とても重要な役割を果たしています。また、ヒトや、動物の体内では、必須栄養素であるビタミンAの材料となるほか、がんや心臓病の予防効果も報告されています[1][2]。

カロテノイドは、肝臓、肺、乳房、子宮頚部、前立腺、大腸、皮膚、網膜をはじめとする眼組織など、人間の体のいたる所に存在しています。ところが、人間をはじめとする動物は、カロテノイドを体内でつくり出すことはできません。なので、食品やサプリメントなどから、摂取する必要があります。

【カロテノイドの役割】

カロテノイドの特徴は、体内に過剰に発生した活性酸素を除去する抗酸化作用という働きを持つことです。人間の体内に取り込まれたカロテノイドは、抗酸化作用を発揮し、細胞の保護などの働きをします。カロテノイドはその種類によって対抗する活性酸素の種類や、人間に対する効果にも違いがあるといわれているため様々な種類のカロテノイドをバランス良く摂取することが必要です。

【主なカロテノイド】

βカロテン

βカロテン(β-carotene)は、β-カロチンともよばれ、 細胞膜の損傷を防ぐ働きをします。人体の脂肪組織に蓄えられ、肝臓や小腸の粘膜の中で、必要な時にビタミンAになるため、プロビタミンAとも呼ばれます。

リコペン​(リコピン)

リコペン(Lycopene, lycopene)は水にはほとんど溶けない脂溶性の赤色色素です。トマトや柿、金時ニンジンなどに多く含まれ、強い抗酸化作用を示します。

ルテイン​

ルテイン (lutein) は、高い抗酸化作用を持ち、緑黄色野菜、ブルーベリーなどの果物に多く含まれています。人間の目、乳房、子宮頸部にも含まれ、目の機能強化、白内障や加齢黄斑変性などの眼病予防に役立つとして、ルテインを主成分としたサプリメントなども、多く製品化されています。

アスタキサンチン

アスタキサンチン(Astaxanthin, Astaxanthine)は、甲殻類の殻やそれらを餌とするマダイの体表、またサケ科魚類の筋肉の赤色部分などに多く含まれています。
アスタキサンチンは高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働いていると考えられています。アスタキサンチンの肌への抗酸化力はβ-カロテンの約10倍、コエンザイムQ10の約800倍、ビタミンEの約1000倍、ビタミンCの約6000倍にも達するとされています[3]。 また、アスタキサンチンは光障害から目を保護すると言われ、アスタキサンチンを配合したサプリメントや健康食品、スキンケア用品なども発売されています。


マルチカロテノイド(カロチノイド)

 

【参考文献】

(1)三室 守、高市真一、富田純史『カロテノイド―その多様性と生理活性』高市真一 編、裳華房、2006年。ISBN 978-4-7853-5840-2。
(2)眞岡孝至『カロテノイドの多様な生理作用』食品・臨床栄養、2、2007年。
(3)サプリのミカタ 〜アスタキサンチン〜https://dhctv.jp/movie/102020/

 

 

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