わけもなくイライラしたり、急に暑いなと感じたり、汗や不眠に悩まされたり。これまでにない心身の変化を感じて、とまどうことはありませんか?
女性の社会進出が増えるとともに、「更年期と上手につきあう」ことの重要性も増しています。今回は女性更年期障害のしくみや対策について紹介します。サプリメントを選ぶ際、おすすめのハーブや栄養についても触れています。
■女性の更年期障害の症状とは?
一定の年齢に近づくと、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も緩やかに低下していきます。これを脳が感知し、女性ホルモンの分泌を促す別のホルモンの分泌が増えることから、自律神経などに影響が及んで以下のような症状が現れます。
- 血管運動神経症状:ホットフラッシュ(微熱、のぼせ、ほてり、発汗など)、手足の冷え
- 身体的症状:めまい・動悸、息苦しさ、頭痛、肩こり、背中や腰・関節の痛み、疲れやすさ
- 精神的症状:情緒不安定、イライラ、憂うつ、意欲低下、不眠 など
症状の感じ方は、人それぞれ異なります。また本人の性格などの心理的因子、職場や家庭環境といった社会的因子で、症状の現れ方が強くなることもあります。 日本人の場合、更年期特有の症状が現れやすい年齢は45~55歳(閉経の前後5年)。また2019年の国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、更年期障害で通院している女性は25万1000人にものぼります。
●女性の更年期症状の治療や対策
医療機関では問診や各種検査をしたうえで、飲み薬や貼り薬などで少量のエストロゲンを補充するHRT療法や、漢方薬、向精神薬などによる治療が行われます。あわせてヨガやウォーキング、ラジオ体操など体を動かす習慣を取り入れましょう。
★この時期を乗り切るハーブや栄養素
【大豆イソフラボンやエクオール】
エストロゲンと似た化学構造を持つ大豆イソフラボンや、その代謝産物であるエクオールには、エストロゲンの代わりとしての役割が期待できます。
【高麗(朝鮮)人参】
高麗人参に含まれるサポニン(ジンセノサイド)が自律神経に働きかけ、更年期特有の気になる症状を抑える働きが期待できます。まためぐりを促すことで、冷え性の緩和などにも役立ちます。
【アシュワガンダ】
アルカロイド類やサポニン類、鉄・ミネラルなどを豊富に含むアシュワガンダは、ストレスに対する抵抗力や体力増強、疲労回復などに役立つと考えられています。
【当帰 / ドンクァイ】
ドンクァイとも呼ばれる当帰はセリ科のハーブであり、体を温める働きから、のぼせや発汗、悪寒など更年期症状のケアに役立てられています。
更年期サポートサプリ 60粒 Menopause Supplement: 60 Capsules(ドンクァ含有)
【チェストベリー】
チェストベリーは地中海地方やアジア原産のチェストツリーの果実です。欧米では伝統的なメディカルハーブとして、婦人科疾患の緩和に役立てられています。
【ブラックコホシュ】
北アメリカに自生するキンポウゲ科のブラックコホシュ。欧米ではホットフラッシュを始めさまざまな更年期症状に対するサプリメントとして活用されています。
●エストロゲン減少後の健康リスクにも注意!
エストロゲンは妊娠や出産のみならず、女性の体を守るさまざまな働きを担っています。そのエストロゲンが低下する閉経後は、以下のような健康リスクが増大します。
- 骨密度の低下(骨粗しょう症)
- 高脂血症や動脈硬化・高血圧などの心血管系疾患
- 尿路感染症や膀胱炎などのトイレトラブル
- 腰やひざなどの関節痛
- 目やのどなど粘膜の異常
生活習慣を見直し、バランスのよい栄養と適度な運動を心がけましょう。骨の健康にはカルシウムやビタミンD、トイレトラブルにはクランベリーなどの補給がおすすめです。
ビタミンD
クランベリー