こんにちは!
サプリメントアドバイザーのヒロキです。
ダイエット効果を謳うサプリメントは数多く発売されています。そして、その成分や効果は、様々です。
プロバイオにより腸内環境の改善を図る腸管免疫系、脂質の代謝を改善することを利用する作用、糖代謝を抑制することによる効果、または、エネルギー吸収の抑制を働きかけるなど、サプリメントによってさまざまなアプローチが提案されています。
いったい、どの成分が数多くのダイエットサプリメントの中で一番効果を発揮するのでしょうか。
この疑問に対してある論文が発表されました。
今回ご紹介するのは、学術誌Nutrientsに掲載された論文です。実際に流通しているダイエットサプリメントに配合されている関与成分を評価し、ダイエット効果に対する科学的根拠の強さを示しました。
論文では、グリーンティ、朝鮮人参、βグルカン、キトサン、グルコマンナン、スピルリナ、ホエイプロテイン、クロロゲン酸、ビターオレンジ、ガラナ、カプサイシン、クルクミン、L-カルニチン、ガルシニア、レスベラトロール、アロエベラ、亜麻仁油、リノレン酸など、全32種類の機能性素材が紹介されています。
論文では、ダイエット成分が身体に働きかけるプロセスを5つのグループにに分類しています。
- 栄養素の吸収に影響を与える栄養補助食品。
- 食欲調節に影響を与える栄養補助食品。
- エネルギー消費の調整に影響を与える栄養補助食品。
- 脂肪代謝に影響を与える栄養補助食品。
- 炭水化物代謝に影響を与える栄養補助食品。
それぞれのグループに含まれる成分と評価は次の通りです。
① 栄養素の吸収に影響を与える栄養補助食品グループ | 評価 |
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Green Tea=緑茶 | A |
Ginseng=朝鮮人参 | B |
White KidneyBean=白いんげん豆 | A |
Chitosan=キトサン | B |
β-Glucans=ベータグルカン | B |
Psyllium=オオバコ | B |
Glucomannan=グルコマンナン | B |
Guar Gum=グアーガム | B |
Agar=観寒天 | B |
Inulin=イヌリン | B |
② 食欲調節に影響を与える栄養補助食品グループ | 評価 |
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Caralluma=カラルマ | B |
Spirulina=スピルリナ | B |
Whey protein=乳清タンパク | A |
Coffee, caffeine=コーヒー由来カフェイン | A |
Chlorogenicacids=クロロゲン酸 | A |
Bitter orange=ビターオレンジ | B |
Guarana=ガラナ | B |
③ エネルギー消費の調整に影響を与える栄養補助食品グループ | 評価 |
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Capsaicin=カプサイシン | B |
Curcumin=クルクミン | B |
L-Carnitine=L-カルニチン | B |
④ 脂肪代謝に影響を与える栄養補助食品グループ | 評価 |
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Pyruvate=ピルビン酸 | B |
Dyacilglycerol=ジアシルグリセロール | A |
Licorice=天草 | C |
Garcinia=ガルシニア | C |
Resveratrol=レスベラトロール | A |
Conjugated linoleic acid=共役リノール酸 | A |
Aloe vera=アロエヴェラ | B |
Flaxseed=亜麻仁 | A |
Grapefruit =グレープフルーツ | B |
⑤ 炭水化物代謝に影響を与える栄養補助食品グループ | 評価 |
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Mangosteen=マンゴスチン | B |
Chromium=クロム | B |
Chromium=クロム | B |
A評価を受けた成分は、
緑茶、白いんげん豆、乳清タンパク、カフェイン、クロロゲン、
ジアシルグリセロール、レスベラトロール、リノール酸、亜麻仁油の9種類です。
緑茶
緑茶には、有益な健康への影響があり、特にカテキンお茶の主成分は、幅広い生物活性を持っていることが確認されています。カテキンは体重減少、メタボリックシンドロームの改善、心血管疾患と癌の予防、および神経変性に対する保護、さらに、緑茶は副作用や有害事象がほとんどなく、安全であることが証明されています。緑茶が持つ肥満防止作用の一つに酵素の阻害効果があります。消化管でのリパーゼ、アミラーゼ、およびグルコシダーゼの阻害と脂肪吸収の低下は、炭水化物の消化と吸収を防ぎ、エネルギー摂取量を減らします。
白いんげん豆
白インゲン豆にはカルシウムや鉄、食物繊維など、健康を支える成分がたっぷり含まれています。同時にファセオラミン、ポリフェノール、オリゴ糖、レクチンと呼ばれるα-アミラーゼ阻害作用成分も含まれていることから、ダイエットサプリメントの成分として利用されています。
人は食事をすると、すい臓からα-アミラーゼという消化酵素が分泌されます。そのα-アミラーゼは、食べたもののなかにあるデンプンやグリコーゲンといった糖質やたんぱく質をブトウ糖に分解します。運動などで消費しきれないブドウ糖が増えると、太る原因になります。それに対しファセオラミンは、炭水化物が体内で糖質に変わる働きを抑止する効果があります。ファセオラミンを摂れば、過度な食事制限をする必要がなくなり、ストレスのないダイエットが可能になります。
ファセオラミンを摂取するのは、食前や食中が効果的です。食べる量はいつもと同じでも、ファセオラミンのサプリメントを摂取することで、食事量を減らさずにストレスなくダイエットが可能となります。
乳清タンパク
ホエイプロテイン(WP)は牛乳の水溶性部分であり、生物学的能力が高いと考えられています
すべての22種の必須アミノ酸を含む価値のあるタンパク質です。 WPは通常、粉末の形で入手可能であり、飲料や食品に簡単に追加できます。運動と同時に摂取するホエイプロテインは、筋肉量の維持と脂肪燃焼の実現に役立ちます。
カフェイン(コーヒー由来)
コーヒーは、世界中で消費される最も人気のある飲料の1つであり、含有されているカフェインは、十分に確立された刺激特性を持つ天然アルカロイドです。カフェインは、脂質可溶性化合物で、血液脳関門を自由に通過するため、神経機能に影響を及ぼします。カフェインは、空腹感を抑え、エネルギー消費量を刺激するようです。交感神経系の興奮性、脂肪の酸化の増加、褐色脂肪組織を活性化させます。また、カフェイン接種は食欲の抑制にも効果があるようです。
カフェインには、潜在的に体重減少を引き起こす可能性があり、それらはの原料効果のためのツールとして考慮されるべきです。
クロロゲン酸(CGA)
クロロゲン酸は、コーヒー豆やじゃがいもに含まれているポリフェノールの一種です。脂肪の蓄積を抑える効果があり、
肥満の予防のためのサプリメントなどに利用されています。また、強い抗酸化作用もあります。
ジアシルグリセロール
ジアシルグリセロールは、油の主成分である脂肪酸の一種。ジアシルグリセロールは食後の中性脂肪の上昇を抑え、体脂肪として蓄積しにくいという全く新しい栄養特性を持っています。ジアシルグリセロールを主成分とした食用油はこれらの効果を表示した特定保健用食品として、平成11年より販売されています。
レスベラトロール
レスベラトロールは、ブドウ、ベリー、ナッツなどの多種多様な植物種に含まれる天然ポリフェノールです。そして長い間、栄養補助食品として使用されてきました。また、強い抗酸化作用があると報告されています。抗炎症作用、抗発癌作用があり、心臓および神経を保護するようです。レスベラトロールは、食事による肥満の代謝性疾患と体重増加を防ぐことがわかった。
共役リノール酸
共役リノール酸(CLA)は、炭素と炭素の間が二重結合になっている不飽和脂肪酸の一種です。その中でも炭素の二重結合の位置により、n6系脂肪酸(オメガ6脂肪酸)に分類されます。CLAは、ひまわりの種子に天然のものが含まれていることで知られています。体内ではほとんど作られていません。食品では牛乳やバター、チーズなどの乳製品や牛肉に含まれます。
CLAは体脂肪増加の抑制、コレステロール値の低下に効果があることが知られています。CLAは、有酸素運動と併用するとさらに効果的で、運動開始前30分前に飲むといいといわれています。
また、体脂肪を効率よくエネルギーに変えるためには、カルニチンと併用すると脂肪燃焼のサイクルに拍車がかかります。
また、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きもあることから、血流が改善され、冷え性の改善にも効果があります。抗酸化作用をもつため、血管壁に酸化LDLが沈殿するのを防ぎ、さらに、花粉症などのアレルギー反応の引き金となる物質の生成を抑える作用もあります。
亜麻仁
亜麻仁は亜麻の植物から供給される機能性食品です。それは繊維とα-リノレン酸(ALA)を豊富に含みます。亜麻仁には約22%のALAが含まれていますが、亜麻仁油には50〜62%のALAが含まれています。亜麻と亜麻仁は、歴史的に創傷治癒として使用されてきました。また、利尿剤、痛み止め、咳止め剤、肌の弾力性と保湿性を向上させる効果があります。
麻の種子に含まれるポリフェノールの一種であるリグナンは内臓脂肪を減らし、脂肪を増やすと報告されています。ALAの代謝産物であるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)には、食欲を抑制し、脂肪の酸化とエネルギー消費を高める効果が期待できます。
亜麻仁に存在する大量の繊維質や、その他の化合物がより高い体重減少をもたらしたと考えられます。
さて、高評価を受けたダイエット成分。
あなたは、どれを選択しますか?
数多くあるダイエットサプリメント。ただ利用するだけではなく、それらがなぜ効果を発揮するのかを理解することも大切かもしれません。世界中の研究者が日々研究に取り組んでいます。ぜひ、サプリメントを選ぶ参考にしてください。
【参考文献】
Current Evidence to Propose Different FoodSupplements for Weight Loss:A Comprehensive Review
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/9/2873/pdf