ビタミンDとは
ビタミンD (vitamin D) は、脂溶性ビタミンに分類されます。人のカラダには必須の栄養素ですが、日光を浴びることによって体内でも合成されます。ビタミンDは、ビタミンD2とビタミンD3に分類され、ビタミンD2は主にキノコ類に含まれ [1]、ビタミンD3は動物性の肉類に多く含まれています。われわれ人間には、ビタミンD3が重要な働きをしているといわれています。
◎ビタミンDの効果
ビタミンDは、体内のカルシウムのバランスを整える効果があり、骨の健康を保つために働いています。また最近では、免疫力アップの効果やガン、糖尿病、自閉症に有効であるという報告もあります。また、妊娠しやすい体質作りにも適しているので、妊活をされている方にも注目の成分といえます。冬季に毎日ビタミンD3を摂取したグループは、摂取しなかったグループに比較して、42%も季節性インフルエンザに罹患する率が低かったという報告があります[2][3]。また、ビタミンDは免疫反応への関与も示唆され、その作用および機能の多様性から、ビタミンAとともにホルモンに分類されることもあります。
◎ビタミンDの摂取法
人がビタミンDを得るには2つの方法があります。食べ物から摂る方法と、日光に含まれる紫外線を浴びて、体内でビタミンDを作り出す方法です。
人にとってビタミンDのいちばん大きな供給源は、皮ふにあるコレステロールです。コレステロールは日光に当たることによって、活性型のビタミンD3に変化します。
◎日光にあたると、どのくらいのビタミンDができるの?
私たちが、午前10時から午後3時の間に、日光浴で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔・手足・背中への日光を浴びた場合、体内で十分な量のビタミンDが合成されるといわれています[4][5]。このように、ビタミンDはコレステロールを材料として、体内で合成されますが、消化管からのビタミンDの吸収量が低下すると容易にビタミンDの欠乏症になってしまいます。
ビタミンDの摂取量
ビタミンDの食事摂取基準(日本、2015年版)[21]
区分 目安量 (AI) 耐容上限量 (UL)
成人(男女) 5.5µg/日( 220 IU/日 ) 100µg/日( 4,000 IU/日 )
ビタミンDの多い食品[6]
食品名 100gあたり含有量
しらす干し 46-61µg
焼き紅鮭 38.4µg
いわし(缶詰) 17-20µg
焼きさんま 15.9µg
さば(水煮缶) 11µg
欠乏症
ヨーロッパではビタミンD含有のサプリメントを日常的に摂取することが一般的で、医者や政府からも推奨されています。太陽光から隔離されるような環境では、ビタミンDが不足することが示唆されています。例えば、潜水艦の乗組員の調査では、一日400IUの経口摂取でも血中ビタミンD濃度が適切に維持できないとの報告があります[7]。
サプリメントからの摂取だけでなく、日光浴の大切さが、改めて確認されています。日光浴不足や、ビタミンD吸収障害、肝障害、腎障害によって体内で活性型ビタミンDへの変換が行なわれない場合や、乳製品のない菜食を継続する場合[8]には、ビタミンDが欠乏し、カルシウム、リンの吸収が進まないことによる骨のカルシウム沈着障害が発生し、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症などが引き起こされる恐れがあります。
また、ビタミンD不足の症状として、他にも以下のことが挙げられます[9][10][11][12][13]。
・糖尿病
・動脈硬化
・免疫力低下
・自閉症
・うつ
・花粉症
ビタミンDの長期にわたる安全摂取量は、健康な成人においては250µg (10,000IU)/日までとされています。販売されているサプリメントには、摂取量の目安も表示されているので、通常の使用においては、過剰摂取の心配はないといえます
ふだんあまり考えることのないビタミンDの働きですが、こんなに多くの大切な役割をしてくれています。健康のためには、不足しがちなビタミンDと一緒に、カルシウム、マグネシウム、タンパク質をしっかり摂って、日光を浴びながら適度な運動をすることが効果的です。
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【参考文献】
(1)動物用医薬品・飼料添加物・対象外物質※評価書 カルシフェロール及び25-ヒドロキシコレカルシフェロール”. 2018年5月17日閲覧。 第39回農業資材審議会飼料分科会配布資料
(2)http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/ajcn.2009.29094v1
(3)Urashima M, Segawa T, Okazaki M, Kurihara M, Wada Y, Ida H (May 2010). “Randomized trial of vitamin D supplementation to prevent seasonal influenza A in schoolchildren”. Am. J. Clin. Nutr. 91 (5): 1255–60. doi:10.3945/ajcn.2009.29094. PMID 20219962.
(4)Holick MF (July 2007). “Vitamin D deficiency”. The New England Journal of Medicine 357 (3): 266–81. doi:10.1056/NEJMra070553. PMID 17634462.
(5)Holick, Michael F. (February 2002). “Vitamin D: the underappreciated D-lightful hormone that is important for skeletal and cellular health”. Current Opinion in Endocrinology & Diabetes 9 (1): 87–98. doi:10.1097/00060793-200202000-00011.
(6)食品成分データベース
(7)Duplessis, Christopher A.; Harris, Eric B.; Watenpaugh, Donald E.; Horn, Wayne G. (June 2005). “Vitamin D Supplementation in Underway Submariners”. Aviation, Space, and Environmental Medicine 76 (6): pp.569-575(7).
(8)Office of Dietary Supplements – Vitamin D”. アメリカ国立衛生研究所 2018年5月17日閲覧。
(9)Natural Standard Research Collaboration (2008年3月1日). “Vitamin D”. Evidence-based monograph. en:Mayo Clinic. 2008年11月29日閲覧。
(10)Gloth, F.M. 3rd; , Alam W, Hollis B. (1999). “Vitamin D vs broad spectrum phototherapy in the treatment of seasonal affective disorder.”. en:J Nutr Health Aging 3 (1): 5-7. pmid 10888476 2008年11月15日閲覧。.
(11)Melamed ML, Muntner P, Michos ED, et al (2008). “Serum 25-Hydroxyvitamin D Levels and the Prevalence of Peripheral Arterial Disease. Results from NHANES 2001 to 2004”. en:Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 28: 1179. doi:10.1161/ATVBAHA.108.165886. PMID 18417640.
(12)Holick MF (2004). “Sunlight and vitamin D for bone health and prevention of autoimmune diseases, cancers, and cardiovascular disease”. American Journal of Clinical Nutrition Full Text 80 (6): 1678S–88S. PMID 15585788.
(13)Travera-Mendoza, Luz E. and White, John H. “Cell Defenses and the Sunshine Vitamin.” Scientific American, November 2007, p. 42.