筋トレのメリットと超回復理論
筋肉トレーニング。
通称「筋トレ」はスポーツ選手やボディービルダーなど、筋肉を極端に大きくしたい人だけがするものだと考えていませんか?
私たちは、筋トレをすることによって、たくさんの素晴らしい効果を体のなかに作りだすことができるんです!
今回は、まだ筋トレをしていない人、これから筋トレを始めようかと迷っている方に向けて、
筋トレを始めたくなるようなさまざまなメリットと、筋トレをする際のコツをご紹介いたします。
是非、筋肉トレーニングの優れた効果を理解して、日頃の運動に取り入れてみてください!
筋力トレーニング(筋トレ)の効果とコツ
- 理想の体型が手に入る
- ホルモン分泌とストレス解消
- 筋トレを行うにあたって知っておきたい「超回復理論」とは
①理想の体型が手に入る
「スリムな体になりたいから、筋トレはしない!」と考えていませんか?
筋トレは筋肉を太くするイメージがあるので、運動を始めたばかりの初心者の方には敬遠されがちです。しかし、身体の脂肪を燃焼させ、さらに、スリムな体型を維持していくためには、筋トレが重要なのです。最も効果的なシェイプアップを成功させるためには、筋トレ(無酸素運動)と有酸素運動を組み合わせて行うことが理想的です!
理想の体脂肪率を維持するためには、からだに備わっている『基礎代謝』をアップさせることが重要です。基礎代謝とは、人間が通常の生活をしているときに自然消に消費されるエネルギー量のことをいいます。そして、この基礎代謝のおよそ40%は筋肉の運動に使われています。筋肉1kg当たりの基礎代謝は約13kcal、一方で脂肪は約4kcalといわれています。同じ体重でも筋肉質の人は4倍以上の効率でエネルギーを燃焼しています。
つまり、体重に占める筋肉の割合が多いほど、普段の生活で使うエネルギーは増加するために、脂肪の燃焼効率があがるのです。有酸素運動やお風呂に入るなど、基礎代謝を上げる方法は色々ありますが、筋肉量を増やすことが、最も効果の大きい方法といえるでしょう。
ついやってしまうのが、短期間で食事量を極端に減らしてしまう無理なダイエット。体の脂肪分が燃焼する前に筋肉量が減ってしまい、基礎代謝もガックリと落ちてしまいます。そのようなことを繰り返していると、ほんの少し食べただけでも体重が増えてしまうリバウンド体質になってしまいます。痩せるためには基礎代謝を上げる、そして基礎代謝を上げるためには適度な筋トレが必要、という考え方です。
②ホルモンとストレス解消
運動をした後は、カラダがスッキリして、気分が爽快になると感じる方は多いと思います。それは、運動時に分泌されるホルモンが影響しています。運動時にはテストステロンやセロトニン、ドーパミンなどのホルモンが分泌されるといわれています。
運動時に分泌される成長ホルモンは運動強度が高い方が多く分泌される傾向があります。また、筋肉に対して刺激のある運動の方がより多くの成長ホルモンを分泌することが研究によって明らかにされています(1)。
成長ホルモンは、加齢とともに分泌量が段々と低下していきます。体内の成長ホルモンが減少していくと、やる気が低下したり、イライラしやすくなったりする場合があります。しかし、筋肉に一定の負荷をかけるトレーニングすることで、これらメンタル面への影響を改善することも期待できます。
「筋トレ」をするには、必ず理解したい「超回復理論」とは
③超回復理論
筋力トレーニングを始めて、少しずつ、その効果を実感してくると、つい毎日続けてトレーニングをしてしまうことがあります。しかし、毎日筋トレを繰り返すことで効率的な効果が得られるかというと、そうではありません。トレーニングによって負荷をかけ、傷ついてしまった筋肉細胞には適切な栄養補給と適切な休養期間が欠かせないのです。
筋肉を効率的に成長させたいのであれば、超回復理論について理解しておくことが必要です。
トレーニングを行うとによって、体内では、エネルギーの消費や筋線維の損傷が起こります。その後、必要な栄養素を摂取し、適切な休息期間を確保することで、筋肉組織が回復、成長していき、その結果として筋肥大などの成果が現れるのです。トレーニング直後から筋肉内で始まるこの現象に沿って行うトレーニングの進め方を、「超回復理論」と呼びます。
超回復は一般的に、トレーニング後、48~72時間(2日~3日)の周期が効果的とされています。48時間を経ずに再度、トレーニングを行うと、一度、壊れた筋肉組織が十分に回復することなく、再び筋肉に負荷がかかることになります。そのため、筋肉が成長するどころか、疲労成分が蓄積していくことになります。反対に、休息期間が長過ぎると、筋力が元の状態に戻ってしまい、効率的な筋肉の増強は望めません。
つまり、筋肉を長期的に成長させていくためには、
筋肉への刺激 → 栄養補給 → 十分な回復期間 → 筋肉の成長
このサイクルを根気よく繰り返していくことが、理想的な身体への一番の近道となります。
また、休息期間に筋肉が効率よく回復するためには、サプリメントとしてのプロテイン(タンパク質)の身体への速やかな補給が欠かせません。
超回復理論を理解したうえで、さらに効率を上げる方法とは?
超回復理論に従うと、「筋トレは週2~3回しかできないの?」という疑問が出てきます。実際のところ、本格的にカラダ作りを行っている人たちは、毎日のようにトレーニングを行っています。それは、超回復理論に逆らった方法なのでしょうか。
答えは、意外にも忠実に超回復理論にそってトレーニングを行っています。
その方法は、たとえば「今日は胸、腹筋を徹底的に鍛える!」次の日は、「背中を集中的に鍛える!」そして翌日には、「腕と肩」そしてまた翌日に、「今日は足を集中的に」といったように、身体を、3~4つ部位に分けて、鍛える部位を日によって変えながらトレーニングしていくのです。
仮に4つの部位に分けると、次に同じ部位を鍛えるのは最短でも4日後になります。つまり、各筋肉は、しっかり休息をとっていることになるのです。
その方法により、それぞれの筋肉が超回復の効果を得ながら、毎日トレーニングをすることが可能になるのです。
さらに、1か所の筋肉に集中して刺激を与えることができるので、筋肉内のエネルギーを効率的に使うことができます。また、一日のトレーニング時間の短縮にも繋がるなど、多くのメリットがあります。
まとめ
・普段の運動習慣に筋力トレーニングを取り入れるメリット → 基礎代謝のアップ
・筋肉の増加により、基礎代謝が上がり、理想的な体型が持続できる。
・筋トレ時には、ホルモンが分泌され、ストレス解消になる。
・筋肉量アップには、筋肉への刺激→栄養補給→休息のサイクル「超回復理論」が大切!
超回復を理解しておくことで、トレーニングの効果を最大限に得ることができ、効率よいカラダ作りができます。是非、運動習慣に「筋力トレーニング」と「超回復理論」を取り入れて、理想のカラダづくりを目指してください!
(1)[研究報告]徳島文理大学研究紀要 第96 号平成30.9 運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について宇都宮由依子*・橋田 誠一